音としては聞こえているのに、言葉として聞き取れない。
そんなことがあるのです。
私が長年抱えていた聞き取れないモヤモヤはこの障害に由来していたのかと気づきました。
今日はそんな私自身のお話しをします。
何気なく図書館で見かけた一冊の本がきっかけでした。
「聞こえているのに聞き取れない」というフレーズが目に留まって手に取った一冊。
中身は可愛らしいマンガのタッチで読みやすい本でした。
APD(聴覚情報処理障害)/LiD(聞き取り困難)という言葉は恥ずかしながら初めて目にしました。
私がこの本を読んで自分に心当たりがあるなと思ったことは以下の点でした。
- 人と話していても他の音がかぶさってくると、言葉が聞き取れなくなる
- 大勢の人の中で話をすると、色々な言葉が所々で飛び込んできてきて混乱しやすい
- 聞き取れずに聞き返すことが多い
- 聞き間違いが多い
- 電話でのやりとりが苦手
本当に自分は何でこんなに人の話がきちんと聞けないのかと思いながら、一生懸命聞き取ろうとしていました。
聴覚に異常はないはずなのにと思っていたのですが、どうやらこれはそうではない模様です。
実は、普通の人でも全部きちんと聞き取れているわけではなく、相手の様子や状況などから推測しながら会話をしているそうです。
APD/LiDの人はその聞き取れない部分が多い分、推測する部分が増えるそうです。
また、聞き取れないのを補おうと集中して聞こうとするため疲れやすいのだそうです。
すごい分かる。😫
普段顔を合わせない親戚と話をしたりした時や、何気なく知り合いとランチに行ったりした後とか、帰ってくるとすごく疲れていたのは、必死で聞こうとしていたからだったんです。
そして、そんな私がやってしまいがちなのは、聞いているふりをしてしまうこと。
でも、これからはちゃんと聞き返そうと思いました。
主人にもこの本を読んでもらいました。
よく聞き返したり、聞き間違いが多いのを指摘されていましたから。
夫は「それで特に接し方を変えたりするとかはなく、今まで通りで行くよ。」と言ってくれました。
聞きづらくて会話が面倒だと思われたら悲しいなと思っていたので、正直に嬉しかったです。
夫は聞き取りづらそうに日々過ごしているのを、ひょっとすると私よりよく分かっていてくれたみたいです。
マンガが読みたかったからか娘も「読んでいい?」と言われたのでどうぞと言うと、何度も読んでいました。
母ちゃんはちょっと嬉しかったです。
今まで、何でこんなにきちんと人の話を聞けないのだろうと思っていた時もあったのですが、自分も必死で聞こうと一生懸命足掻いてきたんだなとこの本を読んで気づけました。 信じられる人にはこの事も話してみようかと思います。 そんなに言えそうな友達いないんですけどね。 作中では、聞き取るのが苦手なAPD/LiDを持つ人を「聞き取りぶきっちょさん」と作者のきょこさんは表現されていました。 私もそんな聞き取りぶきっちょな自分も認めつつ、人の話を真摯に聞こうとする姿勢も忘れずにいたいと思います。 私の聞き取りづらいモヤモヤにそっと寄り添ってもらえたような気がする、心に優しい一冊でした。
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