昔、息子の障害が分かってから、情報収集のために色々な講演会に行っていた時がありました。
その時に障害児者の防災についての講演会にも行きました。
母ちゃんが防災グッズやらを用意したり地震や水害などについても調べたり考えるようになったのもその講演会で話を聞いてからでした。
もう6〜7年ほど前の話なので、ちょっと記憶が薄いのですが今でも覚えているその時のお話をしたいと思います。
障害児者の防災についての講演会で記憶に残ったお話
1、東日本大震災で被災した障害児(当時支援学校高校生男子)とそのお母さんのお話
東日本大震災が起きた当時に支援学校高等部に通う男の子がいたお母さんが、講師の一人としていらっしゃっていました。
東日本大震災が起きた当日、そのお母さんは介護施設で勤務されていたそうですが、職場から帰られては困ると引き止められて、男の子を迎えに行けたのは震災が起きた翌日だったそうです。
医療関係や福祉施設に勤めている場合は、患者さんや利用者さんを看護・介護する人が必要になるため、職場の緊急事態の対応が事前にしっかり考えられていないと、職員が自分の家族の様子を見に帰れなくなり、実際にそのお母さんは迎えにいけるまでとても心配な中で1日を過ごしたそうで、職場によってはそういう事態もありうるのだなと知りました。
息子さんは支援学校で先生方がきちんと保護して下さっていて、迎えに行った時も無事だったそうです。
ご自宅は半壊という状態だったものの、避難所での生活は難しいだろうということで、自宅で避難生活を送られたとのことでした。
息子さんは地震の恐怖で余震が来るたびに怖がって、その度にお母さんは自分の膝の上に座らせて宥めるというのを繰り返したそうです。
また、情緒も不安定になりそれがお母さんの髪を引っ張るという問題行動に現れて、実際にその時の映像も流れました。
息子さんもだいぶショックを受けていたのだということが見て取れて、自分の息子だったらどうなるだろうかと今でもたまに考えます。
2、被災時の物資や薬などの不足問題
被災した時に自宅が無事なら我が家も自宅で過ごすつもりですが、被災した時に自宅で過ごす場合には食料などの配給はありません。
実際に東日本大震災で避難所に行けずに自宅で避難生活を送った障害児者とその家族の中には、十分な食料がなくて困ったところも多かったようです。
その時には行政がその事態に気づくまでかなり時間を要したそうで、それに気づいて動いてくれていたのは、障害者支援をする民間の組織だったとのことでした。
それ以外にも薬を常時必要とするような障害がある場合には、必要とする薬をある程度予備を持っておかないといざ手に入れようと思っても、不足していて手に入らないという事態も実際にあったそうで、咳が酷くなることがある息子の場合はどうしたものかなと考えました。
3、障害者の避難訓練はとても大切
東日本大震災で被災した知的障害者の方で、常日頃から月に一回自宅で避難訓練をしていたご家庭があったそうで、そのお話も聞きました。
その障害者の方は実際に被災した際に自宅で一人だったのですが、自分で避難所まで行って、事前に教えられていたように避難所を統括されている方に自分が障害者であることや保護者が迎えに来るまで食事や寝る場所を世話して欲しい旨を伝えて、保護者が迎えに来るまで避難所で保護してもらい待っていたそうです。
我が家の重度知的障害の息子には難しそうですが、事前に地震が起きた時に「ダンゴムシのポーズ」をすることや、地震とはこんな感じだというのを教えておくことで、息子の心身を守れる可能性は高くなりそうだなと感じました。
以上の話聞いて、母ちゃんが用意していること
我が家が住んでいる地域は地震が一番被害が大きくなるだろうと想定して、その対策を考えています。
障害児がいる我が家ではもし地震が起きた時には自宅で避難生活を送ることを想定しており、大きな家具をできる範囲で固定したり、置くものを少なくすることで、被災してもすぐに片付けて避難生活をできるように考えています。
そして、支援物資がないことを想定して被災した時に食べられる防災食やローリングストックできる食材を最低でも家族で1週間は食べられるように常備しています。
息子の咳の薬についてはいつも通っている小児科の先生が「余ったら取っておいて急に咳が出た時に使いなさい」と少し多めに薬を出してくださるので、それを常備薬として置いてあります。
また、障害者が避難できる施設を把握しておいて、万が一自宅で避難生活が送れない場合はそちらに避難することを家族と共有しています。
非常用持出リュックも一人一つ用意してあって、避難所に行っても1日はその中身で生活できるようにして、玄関に常備してあります。
最近、避難訓練はしていないので、どうやってしようかなと考えております。
地震と近い事態を感じられる動画などを探してみようと思います。
どんな事態になるやら想像がつかない災害ですが、事前の準備で減らせる被害も多いとのことですので、我が家ではこれからもその準備をゆるゆると進めていきたいと思います。
そして、その準備が徒労に終わることを願っています。
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