自閉スペクトラム症と重度知的障害を併せ持つ息子ですが、家でも学校でも放デイでも出先でもあらゆる所で出てきて悩みの種になるのが、開閉へのこだわりです。
息子の開閉に対するこだわりと、それらにどのように対処しているのかを少しお話しします。
開閉へのこだわりが見られる時
息子がこだわりを強く見せるのは、以下のような時です。
- 不安なことがあるとき
- イライラしたり、怒れるとき
- やることがなくて暇なとき
- 新たな開閉できる場所を見つけてしまったとき
1や2のような時は、家や学校など日常生活を送る場所で、開いているものを見つけると気になって仕方がないようです。
そのため、閉めている状態にして落ち着こうとしているようにも見られます。
3や4のような時は、出先で出てしまうことが多いです。
よくあるのは、お店などの自動ドアが大好きで目の前で開いたりしまったりするところが見たくなってしまうようです。
こんなふうに、出先でも開いているドアや窓や物を見つけてしまった時は気になってしまうようです。
開閉のこだわりが出る物
開閉のこだわりが出るものは、
- ドア
- 窓
- 蓋がある物
- チャックやボタン
- 開閉ができるおもちゃ
1のドアは、もうドアは家だろうが、学校だろうが、放デイだろうが、出先だろうが、どこでも開いていると気になってしまうようです。
これが情緒不安定な時だと開いているのを見つけると、バァーーン!とものすごい音を立てて閉めたりします。
もうこれをやられると何事かとびっくりします。
次に怪我してないかと心配になります。
そして、外の場合、周りの方にも騒音でご迷惑をかけてしまいます。
後は、車のドアも閉めたくて仕方がなくて、自分で閉めようとしてしてしまいます。
2の窓は、このコロナ禍で換気のために開けておいたところを閉められたりして、これも非常に困ります。
3の蓋がある物ですが、これは洗濯機・小物入れ・車のダッシュボードの小物入れなど、閉められる蓋がついているものは閉めようとします。
これらもバァーーン!と音を立てて閉められるので、正直やめてほしいと思うところです。
4のチャック・ボタンは服なのですが、自分の服だけでなく身近な人の服のチャックやボタンまで閉めようとします。
チャックがついているパーカーなどは昔勢いよく閉められて、首の肉が挟まって痛い😭思いをしました。
5の開閉ができるおもちゃは主にミニカーのドアです。
こちらは平和なので、好きなだけどうぞと見守っています。
開閉のこだわりへの対処
こうした開閉時のこだわりをどうやって減らしたものかと色々試行錯誤しております。
今、試していることは以下の通りです。
- 開閉するものを目に入れない(遠ざかる)
- 気を逸らす
- 事前に開閉しないと予告する
- 代わりに開閉する
- ある程度許容する
- 閉め方を優しくするように声をかける
1の場合はもう説明するまでもないでしょうが、そういう場所からはなるべく離れるというのがまず第一です。
お出かけの際は、お店の自動ドアなどは少し離れるような場所を歩いたりするなど、なるべく近くを通らないようにしたり、近くに留まらないように気をつけています。
でも、離れたりするのが難しい場合の方が多いので、やはり2の気を逸らせるようなものを見せたり、3の代わりの人がするという方法も必須です。
2の場合は、気を逸らすためにドアを開閉することより彼が好きなものや気になるものを用意します。
息子の場合は、私が一緒にいる場合で見られるならスマホの新幹線の動画を見せることが多いです。
学校だと今はハンドスピナーやトゲトゲのゴムボール、回せそうなものを先生が手渡してくれるそうです。
放デイだと、職員さんが手作りしてくれた自動販売機のプットイン課題だそうです。
しかし、気を逸らすものは外では用意できないという場合もあります。
そういう時には3や4のように備えておくことが必要になります。
3のように事前に「ここのドアは開閉してはいけない」と予告しておくことはある程度効果があります。
息子の場合は出先なら家を出る前やドアに近づく前などに何度も予告しておくと、渋々諦めてくれる時も多いです。
4の場合は学校で先生が教えてくださったのですが、学校でドアなどを閉めたくなった場合は、「先生が代わりに閉めるね」と言って、代わりに閉めて下さると落ち着くそうです。
息子が閉めたくなるドアがわかる場合は、「このドアは先生が締めます」と先に予告しておいたりもするそうです。
5の場合ですが、息子もどうしても怒れてしまって閉めたくなる場合もあります。
その時は家などである程度許容できる時はもう諦めて思い切りやれ!と放っておいてあげるのもありかなと思います。
ストレスを感じている時には開閉することがストレス発散になっている場合もあります。
あまりにこだわりをダメ!と言われ続けるのも本人にとっては辛いことのようなので、安全と時間が許す場合は落ち着くまではやらせておく時もあります。
しかし、開閉してもいい場合でも大きい音を立てて開閉すると、危険と周りへの迷惑とがやはり心配です。
そういう時に備えてという意味でも、6の場合の閉め方を優しくするように声をかけるようにしています。
大きな音を立てて閉めるということは、もし自分や他の人が指や手足を挟んでしまうと大きな怪我に繋がってしまう可能性があります。
なので、閉めていい時には「こんなふうに優しく閉めようね」と実演しながら声をかけます。
これも何度も実演を交えながら声をかけるので、根気が要ります。
最初は中々できませんが、一度でもできた時は大袈裟に褒めます。
実際にそれを繰り返していて、最近優しく閉められることが出てきました。
こだわりというのは、完全に無くしたり、目に見えるくらいに減らしたりというのは難しいものです。 でも、対応次第では少しですが、減ったり、緩くなることもあるかなと思います。 もちろん、親だけで対応するには限界がありますが、学校の先生や放デイの職員さんなどよく知ってくださっている方達と情報をやり取りする中で、解決する方法の糸口を見つけられる時があります。 これからも一緒に悩んで下さるたくさんの方々と連携しながら、息子がこだわりとうまく付き合っていくための方法を探っていきたいと思います。
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