自閉スペクトラム症と重度知的障害を併せ持つ息子ですが、生まれてから今現在に至るまで、色々と問題行動と言われるものがさまざま見られました。
今現在でも、ドアや窓を閉めたくなってしまうこだわり、人の気をひこうとするときに大声を出してしまうことなど、他にも細かいところまで数え出したらきりがありません。
こうした障害児の問題行動を解決するのは、正直なところ親の努力だけで何とかなるものではありません。
もちろん、問題解決には親の試行錯誤も大切ですが、それにプラスして支援学校や放デイなどの福祉サービスなどと情報共有し、連携をとることは非常に重要になってきます。
今日はその一例をお話をしたいと思います。
息子のドアを閉めてしまう問題行動への対処の仕方
息子は「ここでそれはやめて」ということをしてしまう問題行動も本当に多いです。
今一番に思いつくのは開いている(開けている)ドアを勝手に閉めようとすることです。
親(私)の場合
こうした問題行動が起きた時に私は怒ってしまうことも多いのですが、これは逆効果に終わることが圧倒的に多いです。
怒ると、息子は却ってドアを意地でも閉めようとしたり、大声で叫んだりして、後で反省する母ちゃんです。
そこで最近では予防と問題行動の置き換えに重点を置くようにしています。
ドアを閉めたくなる問題行動に対しては、
- ドアが見えないもしくは遠い場所を歩くようにする
- 他の好きなものを見せて注意を逸らしたりする
- 誰かが代わりに閉める
- ドアを閉めずに通り過ぎれたらご褒美(息子の場合は新幹線の動画を見る)
こんな感じで家では対策しています。
けれども、こういった対策などに関しては支援学校の先生や放デイの職員さんのアイデアや工夫などは本当に参考になることが多いです。
支援学校の先生の場合
支援学校の先生の場合はドアを閉めようというそぶりが見えたら、
- 絵カードで閉める前に「待って」と指示
- 「お願いします」と代わりに先生に閉めてもらうようにお願いするように促す
- 「お願いします」が言えたら先生が代わりにドアを閉める
というように対策しているようです。
他にも息子の気を逸らすために、何でも回すのが好きな息子に回せそうなものをサッと渡してくれる時もあるそうです。
ボール・ペン・ハンドスピナーなど、色々と気を逸らすのに効果があったものもよく教えてくださいます。
放デイの職員さんの場合
放デイではドアを閉めようとするそぶりが見えたら、職員さんが手作りしてくれた自販機を模したプットインの課題を見せるとそっちの方がやりたくなるので、最近ではあまりドアに執着しなくなったとおっしゃってました。
前にそれを見せてもらったら、確かに息子がこれは好きになるだろうなという、小さいけれど本物を彷彿とさせるクオリティでした。
情報共有の大切さ
以上は、ほんの一例ではありますが、このように息子の問題行動についての悩みや対処法は支援学校や放デイでも様々な試みをしてくださっています。
今回の問題行動である息子の開いているドアを閉めたいこだわりは、他の好きなもので気を逸らすのが今のところ一番有効であることがわかってきました。
このように試行錯誤の様子を情報共有することで改善に向かうこともあります。
先ほど挙げた家での対策も今までに学校の先生や放デイの職員さんが教えてくださった対策などを参考にしている部分が多いです。
もちろん、それでも問題行動がさっぱりなくなったり、完全に解決するわけではありません。
しかし、日々のそうした積み重ねや試行錯誤で徐々に問題行動が減ったり、和らいだりしていく事も多いなと感じています。
色々な障害児に日々相対しているプロである支援学校の先生方や放デイの職員さんたちは、親だけでは知らない分からない、経験に基づく知識や知恵を持っています。
そういう方法があったのかと目から鱗が落ちる思いをしたのは1度や2度どころではありません。
教えていただいたことが問題行動を和らげる一助になったことは数えていたらキリがないくらいです。
また、対処法や対策の情報を共有し、家・支援学校・放デイでも同じような方法を取り入れてみることで、息子もそのやり方を受け入れやすくなることもあります。
親としても、同じような対処をどんなところでもするようにしていると、息子もやり方を覚えやすいのかなと感じることは多いです。
なので、まずこんなことで困ったという問題や問題行動があったら、なるべく早く支援学校の先生や放デイの職員さんなどに相談するように心がけています。
親と言っても所詮一人のしがない人間です。 できることには限界があります。 でも、三人寄れば文殊の知恵とはよく言ったもので、たくさんの人の知識や知恵をお借りできれば少しずつ解決に近づける事もあります。 もちろん、それにはとても労力と時間もかかりますが、一緒に悩んで考えてくださる味方が多ければ、とても親としても心強いです。 それに学校の先生方や放デイの職員さんは大らかに温かく、しかし冷静に見守ってくださる方が多く、本当に助けていただいています。 問題も多い息子ではありますが、温かく見守りながら支援してくださる方達と一緒に、悩み考えながら育てて行きたいと思います。
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