息子は現在特別支援学校に通っています。
重度知的障害を持つ息子が就学する時には本当にどうしたらいいか散々悩みました。
今は学校が大好きで毎日楽しく過ごしているようで、いい選択ができたと思っています。
そんな息子の就学時に悩んだお話をしたいと思います。
就学に向けての情報収集
息子の就学をどうしようか悩んだのは彼がこども園の年少さんの時でした。
療育手帳でAの重度知的障害の判定が出てから、就学について調べ始めました。
最初に行ったのは地域の教育委員会がやっている発達相談でした。
相談に応じてくださったのは支援学校の先生を退職された方でした。
発達障害などがあるお子さんの就学で考えられる進路について当時教えてもらったのは支援学級や支援学校のことでした。
この時はまだ明確なイメージがつかめずにおりました。
分かってきた就学のこと
地域にある子供発達センターの就学に向けての講演会などにも足を運び、何となくわかってきたのは就学時の進路は大体こんな感じでした。
地域の小学校へ行く場合は、普通級(いわゆる一般的な子たちと集団で授業を受けるクラス)に在籍しながら苦手な分野は支援学級や指導教室などに通ったり、支援学級に在籍しながらみんなと受けられる科目は普通級で受けるといった具合です。
もし息子が支援学級に行っていたとしたら、普通級でみんなと授業を受けるのはだいぶ難しかっただろうと思うので、支援学級でずっと過ごすことになっていたかもしれません。
支援学級に行くのに悩んだ点の一つは支援学級が中学校までしかないという点です。
そこから先の進路はそのお子さんの発達などに合わせて、普通の高校に行くか、専門学校か、支援学校の高等部に行くかというところになるのかなと思います。
うまく馴染めるような学校などが探せるかというところで、悩むことになりそうです。
知り合いの中には小学校の支援学級から支援学校の中学部に進んだお子さんもいらっしゃいました。
支援学校は小学部から中学部、高等部と他を希望しない場合はエスカレータ式なのでそこの所は悩まなくてもいいかもしれません。
卒業後の進路にしても、就職や施設を探す際に色々な情報やつながりを持っていらっしゃるので、大人になってから障害者向けの施設や就職を考えているなら有利になってきそうです。
この支援学校の様子などについてはまたの機会にお話しします。
実際に見学に行ってみる
支援学級と支援学校に見学にも行きました。
支援学級の見学に行った時には「これは息子には無理かな」と悟りました。
一人で座っていられないし、当時は一人でトイレに行ったりもできませんでした。
字も書けず、板書の内容も理解ができないのに、これは厳しいなと現実を思い知りました。
それでも、支援学級の担任の先生は「息子さんが(支援学級に)入学されるなら受け入れますから大丈夫ですよ」と言い切ってくださって、ありがたいなと思いました。
そして、支援学校の見学では校舎内は明るく、窓などが強化ガラスだったり、階段も段が低めで手すりなどもあり、他にも色々と安全に過ごせるように配慮されている建物でした。
1クラスも6人までですし、補助してくださる先生も多く、生徒・児童の生活に直結する身辺自立を重視しているので、そうした課題が満載な息子にはここしかないと思いました。
実際に通っているお子さんのお母さんに話を聞く
子供発達センターの主催で実際に支援学級や支援学校に通うお子さんを持つお母さんに話を聞ける会がありました。
実はその時に支援学校に行ってもらおうと決めました。
話を聞いたのは3人の方でした。
一人は支援学級から高学年になって普通級に移ったお子さんの話でした。
やはり普通級に移った時にストレスでアトピーがあるお子さんだったそうで、アトピーがひどくなったり、同級生に支援学級にいたことで揶揄われたりと、色々と大変なこともあったそうです。
当時中学生だったお子さんは中学に入学してからも環境や生活の変化などのストレスでやはり大変だったというお話をされていました。
もう一人は支援学級の当時小学2年生のお子さんのお話でした。
そのお子さんが通っていたリトミックの教室の先生が発達障害などの相談も受けている方だったようで、その先生に2年生までは支援学級で3年生からは普通級に移ったらどうかと言われたそうでした。
その時は3年生に向けて普通級に移る準備をしているというお話でした。
最後に聞いたのは支援学校に兄弟でお子さんが通っているお母さんのお話でした。
そのお母さん曰く、支援学校では「先生と合わない」ということがほぼないということでした。
もし合わないと思う先生がいても、支援学校の中に前の担任の先生やお世話になった先生がいたりするので、その先生に相談することもできるとおっしゃっていました。
なるほど、それは確かに心強い。
実は我が家もその恩恵を受けております。
以前担任をしてくださっていた先生が息子の成長したところなどを気づいて教えてくださったりすることがあります。
それが息子の問題行動を解決するヒントになったこともありました。
長い目で見た時に息子の成長を一緒に見守ってくれる先生方が多いのなら、その方が息子にとっても心強いかもしれないと思いました。
こうして、息子の進路は支援学校に行くことに決まりました。
就学時健診の時に地域の小学校の先生にその希望を伝えると、支援学校への就学を願い出る書類などをその場で書いた覚えがあります。
現在、息子は頼りになる先生方に囲まれ、元気に学校生活を送っています。 支援学校では息子の問題や課題を先生方が一緒に考えて下さったり、息子の身辺自立や将来を考えた上で必要なことを日々の活動の中に取り入れて頂いています。 何よりありがたいのはやはり学校が息子にとって楽しい大切な居場所の一つになってくれていることです。 たくさん悩んだ2年強の時間は無駄ではなかった。 これからも元気に楽しく行けるように支えて行けたらいいなと思っています。
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