障害児の息子を育てて「よかった!」と思える時

我が家の息子は重度知的障害と自閉スペクトラム症を併せ持っています。

困ることは星の数ほどありますが、息子の親で良かったと思う時ももちろんあります。

今日は思い付くいくつかの障害児の息子を育てていて良かったと思うことをお話しします。

ふとした瞬間に甘えてくる時

我が家の息子は感覚過敏もあって、昔から抱っこされるのが好きではなく、抱っこされると後ろにそりかえることが多かった子供でした。

ぎゅっと抱きしめられるのも好きではありません。

でも、ふとした時にはにかみながらぎゅっと抱きついてくる時があります。

「普段は嫌がるのに自分から抱きついてくるなんて!」と思うと、息子にも母として愛着を持たれているのかなと、より殊更に可愛いなと愛らしく思います。

そして、こちらがぎゅっと抱きしめ返すと数秒でサッと離れていくまでがセットです。(笑)

たくさんの人の温かさ・優しさを感じる時

息子が障害児と分かってから、それはもうたくさんの方々にたくさんお世話になってきました。

おじいちゃん、おばあちゃん、おじさん、おばさん、児童精神科の先生、言語訓練の先生、作業療法の先生、こども園の先生方・お友達、支援学校の先生方・お友達・その親御さん、放デイの職員さんたち、相談支援員さん、発達相談に乗って頂いた相談員さん、もう挙げ出したらキリがありません。

他にも出先で息子の知的障害を察して、優しく声をかけてくださる方もいらっしゃいます。

たくさん迷惑をかけてしまう息子だけれど、それでも息子と真剣に向き合って下さったり、温かく見守りながら良い方向へ導こうと一緒に悩んで下さったり、通りすがりでも気にかけて下さったり、そういった優しさ・温かさを向けて下さる方々には、息子も家族も心身ともに助けられています。

そういう人がいるからこそ、息子もそれを支える家族も生きていけるのだなと本当に実感します。

普通に生きてたら気づけなかったかもしれない、息子のおかげで身をもって知ることができた大切な人の優しさ・温かさです。

家族(の将来)を真剣に考える時

重度知的障害の息子がいることで、家族の将来のことを真剣に考えざるを得ません。

そのことで、色々な福祉の制度を調べたり、施設や事業所を調べたり、お金のことを考えたり、自分達がいなくなった後のことを考えたり、将来に向けて今から何ができるかを必死で考えています。

そうして将来のことを真剣に考えていると、今の家族4人で過ごせる生活はそんなに長い時間ではないんだなと気づきました

将来を真剣に考えるのも大事だけど、それと同じくらい今家族みんなで過ごせる時間も大切にしないといけないのだなと思い知らされます

他とはちょっと違ったところがある我が家ですが、家族で過ごす大切な今と将来を考える機会をたくさんもらえていて、それは息子のおかげかなと思います。

自分を大事にすることの大切さを教えられる時

母ちゃんは息子が知的障害があるので、周りに迷惑をかけてはいけない、もっと頑張ってしっかりした親でなければいけないと気を張っていた時期がありました。

でも、周りの人たちにそう言われたことは、実はそんなにありませんでした。

むしろ事情を知っている方ほど、もっと肩の力を抜いていい、もっと周りを頼っていい、もっと楽をしてもいい、そんなふうに言って下さいました。

そうして時間を経た今では、自分でできないことは他の人に頼ってもいいし、その方がいい結果になることの方が断然多いと気づきました。

親ができることは結構少なくて、第三者のプロ、同じくらいの年頃のお友達、そういった人たちからもらえる学びや刺激は息子にとってすごい影響力があったりします。

親が意地になって何とかしようとしても、たかだか普通の一人の人間なのでできることは知れています。

何よりやれることは頑張って、できないことは助けて貰えばいいというごく当たり前のことを、体現している息子が目の前にいました。

そうして徐々に必要以上に張っていた肩の力は抜けていった気がします。

自分を大切にするからこそ、他を大切にする余裕もできます。

自分の限界を知ったからこそ、開き直れたとも言う。(笑)

障害児との息子の生活は苦労の連続かと思いきや、肩の力がいい具合に抜けてきた今はそんなふうに思うことはなくなってきました。

ないとは言えないですけどね。(笑)

でも、息子が普通の子だったらこんなに「今、私は生きている!」という実感をしみじみ感じることなく生きていたかもしれません。

もし過去に遡って生まれる子が普通のお子さんと替えられると言われても、母ちゃんは絶対に今の息子を選びます。

それだけは自信を持って言えます。

困ったところも多い子だけど、それでもやっぱり産まれてきてくれてありがとう。

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