我が家の重度知的障害児の息子は色々なこだわりがあります。
扉の開閉、電気のスイッチ、シートベルトなど様々なものがありますが、今日はその中で言葉に関するこだわりについてお話しします。
息子の言語分野の発達レベル
そもそも、我が家の息子は言語の分野が大の苦手です。
言語レベルはまだ2歳に届かないレベルの発達段階なので、普段の生理的欲求や好きなものを要求するときに2語分が出るくらいで、他は単語で表現します。
2語文だと実際に出てくるのは「パン食べる」「お茶飲む」とか「新幹線(のDVD)見る」と言ったようなところですね。
単語だと「お着替え」、「おしっこ」、「ねんね」などよく使うものは覚えているようです。
しかし、意味を理解して発語できているものは50単語あるかどうかです。
オウム返しはしますが、意味を理解できて返している時はほぼないです。
息子がこだわる「どうぞ」問題
最近の息子の言葉でのこだわりは、「どうぞ」です。
好きなものを食べたり、好きなことをしたい時に「どうぞ」と言ってきます。
それに「どうぞ」などの促す言葉を返してもらうことで許可を得ようとします。
語彙が少ないので、「どうぞ」という言葉だけで表現してしまいます。
その「どうぞ」の何が問題かというと、頻度の多さと返事を返されるまで待ってしまうことです。
中でも、食事時に好きなものを食べる時は一口ごとに「どうぞ」と何度も言って、それに返事をしないとずっと食べずに待っています。
これに付き合うと精神的に辛い時もあるのですが、放っておくとご飯が進まないので、しょうがなく何度も返事を返すと言うのを繰り返すと、イライラしてくることもあります。
我が家ではこの問題を「どうぞ問題」と呼んでいます。
このどうぞ問題を児童精神科の先生に相談してみました。

「どうぞ」と言うのがこだわりになっているようだから、返事を返す時のバリエーションを増やすといいかもしれない。
とのことでした。
実はこのどうぞ問題を学校の先生にも相談した時があるのですが、学校の先生方も児童精神科の先生が仰ったように他の言葉で返すようにして下さっていました。
家でもそれを参考に他の言葉で返すようにしていましたが、その対応で合っていたんだなと確信が得られて安心しました。
それと同時に支援学校の先生方の知識や知恵に改めて感服しました。
こうしてどうぞ問題の対処方針が決まり、そのやり方を考えました。
具体的には「どうぞ」に対してのバリエーションを増やすために、言葉で促す際にやってほしいことや気をつけてほしいことをプラスしました。
食事なら「よく噛んで食べてね」とか「よく(手元を)見て食べてね」とジェスチャーを交えて分かりやすいように注意を入れ込みながら食べるように誘導するようにしています。
他にもおもちゃを持ってきて「どうぞ」を言う場合は、「〇〇で遊ぶんだね。いいよ。」とやろうとしていることを説明しながら促すようにしています。
そうすることで、言葉の理解にも繋がるようにと工夫しています。
これでこだわりが和らいでいくといいのですが、それはこれからの取り組み次第ですね。
こう言ったこだわりは和らいで消えていくこともあれば、続いてしまうこともあります。
障害児とのこうしたやり取りはかなり長期の視点で構えて対処していく必要があります。
幸い支援学校の先生方や放デイの職員さん方がとても協力してくださるので、皆さんと一緒に息子のこだわりが和らいでいくように頑張っていこうと思います。
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